あらたまこころのクリニック「症状別のよくある質問」ページ

公開日: |更新日: うつ病

冬季うつ…睡眠薬を減らすチャンスかも?

寒くなると増えてくる

今年の夏は、記録的な猛暑でしたが、ここ数週間で一転し、すっかり涼しくなってきました。
涼しくなってくると、今年も、「気持ちがふさぐ」「しっかり睡眠をとっているのに寝たりない、朝起きられない」「食べすぎてしまう」などの症状を訴える方が多くなってきました。
以前にも書きましたが(ブログ「寝過ぎ、食べ過ぎ……冬季うつかも」)、「季節性うつ病(冬うつ)」と言われるもので、日照時間が短くなり、日光を浴びる時間が少なくなることで、セロトニンなどの脳内の神経伝達物質が減り、鬱状態になりやすくなるのです。

症状を改善するには?

もともと太陽を浴びる時間が少ないことが原因となっている病気ですから、やはりもっともよい方法は朝の太陽を毎日しっかり浴びる事です。ひどい場合には脳内セロトニンを増やす薬などの投薬療法もありますが、軽い場合であれば、生活を改善することがとても効果的です。朝早く起床し、まずはカーテンを開けて、太陽の光を十分浴びるようにしましょう。パソコンやスマホなどもブルーライトと言われる日光と同じ作用をもつ光が出ていますので、朝いちばんにメールのチェックをするのもよいでしょう。

眠くなる今が、睡眠薬を減らすチャンスかも?

普段、不眠などの症状で眠れない方であれば、このような冬季うつの症状があるなら、逆に睡眠薬を減らすよいチャンスかもしれません。夜は早めに布団に入り、部屋を暗くし、スマホなどの使用も極力控えるようにしましょう。朝は早めに起床し太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされセロトニンも増え、症状の改善がみられると思います。
もちろん、ひどい場合は早めに専門医に相談することをおすすめします。

関連する情報

監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。