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公開日: |更新日: 睡眠障害・不眠症

中高生の不眠…ケータイ、スマホに注意

中高生の不眠…ケータイ、スマホに注意

夜間、携帯を使う中高生ほど、心の健康状態が悪い

東京都医学総合研究所の発表によると、中高生約1万8千人を対象にした大規模調査で、夜間消灯後にメールや通話のため携帯電話を使う頻度が高いほど、心の健康状態が悪い傾向がみられるとの結果が出たそうです。
以前にもこのブログでパソコンやスマホなどの睡眠への影響について書きましたが、夜、液晶から出るブルーライトという光を浴び続けると、睡眠に影響がでます。睡眠がうまくとれていないと、心の健康にも影響があるということが、この結果から想像できます。

睡眠相後退症候群

このような例もあるそうです
「ある女子高生は、朝方、母親から声をかけて起こされると、怒鳴り返し、起床後はそのことを全く覚えていない。普段は言葉遣いも普通で優しい子だという。彼女は、毎日、ベッドの中で携帯電話の画面やテレビを見ながら眠気がくるのを待ち、午前2時に就寝。病院にいくと、彼女は、夜寝つけず、朝起きられなくなる「睡眠相後退症候群」であると診断される」
この「睡眠相後退症候群」というのは、体内時計が狂い、生体リズムが変化した状態で、睡眠時間がふつうより後ろにずれてしまう症状をいいます。このような状態では、通学、通勤など、時間的制約のある社会活動が難しくなり、社会生活がうまくできないことから、二次的にはうつ病となる可能性もあると指摘されています。

夜のスマホやケータイには注意が必要

このように睡眠は、人間の健康にも、大きくかかわっています。
現代社会では、パソコンやテレビ、スマホなどを全く利用しないということは、なかなかできるものではありません。しかし、体内時計を正確に保つためにも、ブルーライトをカットする製品(眼鏡や液晶保護シートなど)をうまく活用したり、夜間のスマホなどの使用はなるべく控えるなどの必要があるようです。

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。