あらたまこころのクリニック「パニック障害」ページ

パニック障害

PANIC DISORDER

PANIC DISORDER

突然、激しい動悸や呼吸困難、
めまいなどが起きて
恐怖に襲われる
状態が慢性的に進行する病気です

ある日理由もなく、突然、心臓がドキドキしたり、呼吸が苦しくなったり、めまい・吐き気・過呼吸、手足のしびれなどの体の異変が起き、死んでしまうのではないかというほどの恐怖に襲われるのがパニック発作です。このパニック発作の時間は、長くても15分ほどがピークで、その後は落ち着いてきます。日本人の10人に1人が、一生のうちに経験します。

このパニック発作が繰り返され、「また発作が起きたらどうしよう」といつも不安になり、日常生活に支障が出てくるとパニック障害と診断します。慢性化することで、満員電車や人混みのような発作発生時すぐに逃げ出せないような場所を避けるようになります。また、吐き気やめまい、ふらつきなど、漠然とした体の不調に悩まされることもあり、異常な体の反応と場所への恐怖が結びついた状態です。日本人の100人に1〜2人が経験し、20〜30代の女性に多い病気で、その数は男性の2〜3倍ほどと言われています。

加えて、パニック障害は、非定型うつ病や社交不安障害、双極性障害、うつ病、アルコール依存症、自律神経失調症、身体表現性障害などが合併することがあるため、自覚症状がある場合や、家族や周囲の人が気づいた場合は、早期に専門的な治療を受けることが大切です。

慢性化するパニック障害 SYMPTOMS

慢性化するパニック障害
こんなお悩み
   ありませんか?
次のような症状は、
パニック障害の可能性があります
  • 突然、動悸や呼吸困難、過呼吸、激しい発汗がある

    突然、胸や腹部の違和感、めまいなどを感じる

    手足のしびれや皮膚の違和感を感じる

    喉のつまりや吐き気など、不調が起きないか不安

  • またパニック発作が起きるのではないかと不安

    高速道路や特急電車、渋滞など️、発作発生時すぐに逃げ出せない場所が怖い

    大勢の知らない人に囲まれる場所に行くのが怖い

    外出時にペットボトルを持ち歩く

当院での治療法 -TREATMENT-

パニック障害は、「パニック発作が起きても大丈夫」と自信が持てるようなることが治療の目標です。はじめは、薬物療法が主ですが、認知行動療法を行うことで、パニック発作や苦手な場所を怖れずに自由にどこにでも行け、社会生活を楽しめるような状態になることを目指します。

詳しくは「認知行動療法とは」をご覧ください。

パニック障害は、パニック発作ばかりに目を向けられがちですが、発作の時の安定剤などのその場しのぎのパニック発作対策ではなく、再発の不安や苦手な場所の克服、体の慢性的な不調に対する不安などの根本治療が必要です。

そもそも、パニック発作自体は命に危険はなく、むしろ身を守るために備わった反応ですが、患者様の誤った認知で悪循環に陥り、日常生活に支障をもたらすのです。つまり、脳内で「火災報知器が火事でもないのに誤作動しているような状態」であり、この誤認知の修正と悪循環を改善していくことがパニック障害の治療です。

  • 薬物療法

    薬物療法

    当院の薬物療法では、SSRIを主として治療します。パニック発作をベンゾジアゼピンなどの安定剤で抑えているだけでは、根本的な治療になりません。これらの「発作止め」「お守り薬」と称される安定剤は、発作を抑えるための頓服であり、根本的な克服には役に立たず、かえって悪化させることもあります。

    パニック障害の治療は、「またパニック発作が起きたらどうしよう」という不安に怯えることなく、「パニック発作が起きても大丈夫」「薬がなくても自分の力で対処できる」という自己効力感を持てるようになる治療を行うことが大切です。

    薬物療法
  • 精神療法

    精神療法

    当院では、パニック障害専門の治療プログラムをご提案しています。その中の一つに、同じパニック発作の悩みを持つ仲間が集まるグループ療法があり、2006年から500人以上の方が参加され、多くの方がパニック障害から回復しています。呼吸コントロール法や段階的曝露療法、身体感覚曝露といった、パニック障害や広場恐怖の克服にとても有効な治療法を、同じ悩みを抱えた仲間と一緒に実践することができるのは非常に心強く、高い治療効果があります。

    他にも、必要に応じてマインドフルネス、認知再構成法など、患者様一人ひとりに役立つ最適なプログラムを組み合わせて治療します。

    精神療法

ご家族・周囲の方へ -FAMILY-

パニック発作は日本人の10人に1人が経験し、そのうちパニック障害に発展するのは100人に1〜2人と言われるほど身近な病気ですが、正しい治療を行うことで克服することが可能なため、ご家族や友人などの身近な人がいち早く変化を察知し、診療を促すことが大切です。

パニック障害は、恐怖が人混みや電車などの場所と結びつき、次第にその場所を避けるようになって外出できなくなるなど社会生活が送れなくなり、何もかもが憂うつになり、うつ病を発症することもあります。また、恐怖が「体の不調」とも結びつき、絶えず「体の不調」を心配するようになります。いつも近くにいる家族がパニック障害をしっかりと理解して、治療の協力者として向き合うことで、患者様も安心し、正しく治療することができます。

パニック障害を発症している場合は、次のようなサインを発するため、「以前と様子が違う」「何だか変だ」と感じた場合は、当院へご相談ください。

パニック障害の人が発するサイン
  • 高速道路や渋滞しそうな道路を自動車の運転をしなくなった
  • 電車やバス、飛行機などに乗らなくなった
  • ショッピングセンターなど人の多い場所に行かなくなった
  • 高いビルやエレベーターを避けるようになった
  • 美容院や歯科医院、映画館、MRI検査などを避けるようになった
  • 首が締まるような服を避けて、ゆるい服ばかり着るようになった
  • 外食をしなくなり、あっさりした料理しか食べなくなった
  • 外出時にペットボトルを持ち歩くようになった

パニック障害の人が発するサイン

院長紹介

加藤 正
加藤 正 医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市から、「日本精神神経学会から専門医のための研修施設」などに指定されている。