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心理検査(WAIS)の結果から考えるADHD

カテゴリー: ADHD | 投稿日: 2017-12-16

 前回のブログでは、働く方のADHDへの当院の取り組みについてご説明しました。今回は、実際にADHDの診断が下りた患者様に当院がどのような治療を行っていくのかを具体例を挙げてご紹介していきます。

「仕事でのミスが多く、仕事が長続きしない」Aさんの場合
(よく見られる一例で特定の患者さんではありません)

Aさんは仕事が長続きしません。一生懸命取り組んでいるつもりですが、上司や同僚からミスを指摘されることが多く、自信をなくし、抑うつ症状から仕事を続けることが難しくなった結果、辞めてしまうということが続いていました。

医師との診察の中でADHDを思わせるエピソードがいくつか出てきたため、WAISを取ってみることになりました。WAISの結果、全体的な知能に遅れはありませんでしたが、著しく苦手な領域がいくつか見られました。

その領域はいわゆる忘れっぽさやケアレスミスに関連するものでしたので、仕事や日常生活で「言われたことを忘れてしまうことは多くないか。計算ミスや書類の記入ミスなどはしがちでないか」ということをお聞きすると、
「そうなんです。いつもそういったミスで怒られ続けてきました。自分では気を付けているつもりなのだけど、全然直らなくて…。元々こういうことが苦手だったのですね。」と非常に納得された様子でした。他の心理検査や心理士との面談も踏まえたうえで、AさんにはADHDの診断がなされました。

 

生活の工夫を身に付けよう!

WAISで明らかになった苦手なことの多くは、ちょっとした工夫でカバーできることが多いです。Aさんには、

といった特徴がありました。そこで、

といった工夫を提案させていただきました。

Aさんはその後、日常生活で常にメモを持ち歩くようにし、大事なことは毎回メモを取るよう習慣付けました。
また、玄関の壁には「財布、携帯、車のキー、いるもの袋」というチェックリストを貼り、外出時にチェックするようにしました。
「いるもの袋」とはAさんが考えたアイディアで、次の日持ち出すもの(書類など)は前日からその袋にまとめて入れておくことにしました。

このような工夫を身に付けたことで、Aさんは大事なことを忘れてしまったり、不注意によるミスをしてしまうことが減り、自分に自信が持てるようになりました。
また、これを機に、Aさん自身が自分の特徴を理解し、自分に合った工夫を考えられるようにもなっています。

(心理士・円増、関口)