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厚労省の認知行動療法研修会のご報告

カテゴリー: 研修・学会, 認知行動療法 | 投稿日: 2017-12-13

 

平成28年度 厚生労働省認知行動療法研修事業
うつ病の認知療法・認知行動療法ワークショップ

日程:2016年10月9日(日)13:00-17:30、10日(月・祝)10:00-17:00
講師:大野裕先生・岡崎純弥先生・藤澤大介先生(一般社団法人認知行動療法研修開発センター)

~主な内容~

  •  コミュニケーションスキル、ソクラテス式問答
  •  行動活性化(講義・演習)
  •  認知再構成法 3つのコラム
  •  問題解決技法
  •  症例の概念化

 

1.研修の目的

うつ病はこの10年間で急増し、治療対策が急務となっています。このため、うつ病の治療の質の向上を目的に、平成23年より、うつ病の治療に有効とされる認知行動療法について、厚生労働省の研修事業(うつ病の認知療法・認知行動療法研修事業)が始まりました。

本研修は、一定の臨床経験を有し、厚生労働省研修事業の規定の研修を受けた精神医療業務に従事する医師、看護師、保健師、精神保健福祉士、臨床心理技術者等に対して、個人スーパービジョン等を通して、うつ病の認知療法・認知行動療法の知識・技能の修得及び臨床実践の向上を目指すものです。

 

2.研修を受けてみての感想

認知行動療法は、マニュアルやたくさんあるワークシートに書き込むことばかりに注目されがちですが、研修の中で大野先生が、「マニュアルなどの型にとらわれず、患者さんの経験が大切です。患者さんに寄り添いながら、何に苦しんでいるかを理解し、十分に共感してから、スキルを伝えていきましょう。患者さんと一緒に現実をみて、一緒に考えていきましょう」と言われていたのが印象的でした。

認知行動療法で必要とされるのが、ソクラテス式質問法というコミュニケーションスキルですが、研修ではロールプレイの形で、治療者役と患者役になってスキルを学びました。この質問法は、誘導尋問ではなく、相手に気づきを促していく会話方法なのですが、言葉の使い方ひとつで、相手の受け止め方が大きく変わってしまうなど、実際にロールプレイで体験しながら確認できたことがたくさんありました。

他にも認知行動療法の代表的な技法について、講義だけでなく実際の治療場面のVTRを視聴した中で、患者さんの話をしっかり聞かずに認知行動療法の技法だけを伝えようとする悪い例の場面もあり、普段自分が行っている治療態度を振り返る機会にもなりました。

 

3.個人スーパービジョンを受けた感想

個人スーパービジョンでは、認知行動療法の専門家の先生から約4ヶ月間に渡り、面接過程を振り返りながら、面接の問題点、認知行動療法の知識、技法の修得、治療方針などについて丁寧な指導を頂きました。

この研修では、認知療法の研修における世界標準的な認知療法尺度として使用される評価指標(CTRS)により評価を受けます。これは、実際の治療の記録に基づき,セラピストの認知療法スキルを「アジェンダ」「対人能力」「協同作業」といった11項目から評価するものです(各項目最高1-6点で評価。初期認定基準が66点満点中30点以上,認定基準が66点満点中40点以上となっています)。

講師の先生からは、認知行動療法の技法についてだけでなく、基本的な精神療法を行う上での心構えや、患者さんの気持ちに寄り添うことの大切さについても教えて頂きました。また、認知行動療法のマニュアルに沿った進め方を軸にしつつも、現実場面で患者さんが何に困っているのかをしっかり受け止めて、患者さんの言葉を使いながら技法を伝えていくことが重要であることを強調されていたのが印象に残っています。

 

当院の加藤院長は、厚生労働省のスーパーバイザーを務めた経験があり、また当院所属の他の心理士にも、スーパービジョンを受けた者がおります。
認知行動療法は、常に発展している治療法なので今後も研鑽を積みながら、患者さんの困りごとに一緒に向き合って問題解決に取り組んでいきたいと考えております。

(心理士・片桐)