名古屋市/心療内科/精神科/うつ病/不安障害/瑞穂区/昭和区/天白区/南区/緑区/熱田区/日進市/中区/パニック障害/摂食障害/あらたまこころのクリニック

心療内科 精神科 医療法人和心会 あらたまこころのクリニック
〒467-0066
名古屋市瑞穂区洲山町1-49
TEL:052-852-8177

できるだけ薬に頼らない治療。あらたまこころのクリニックオフィシャルブログ

12月, 2017年

2017年クリスマス会をデイケアで行いました

カテゴリー: デイケア | 投稿日: 2017-12-30

12月20日(水)にデイケアで季節行事プログラムの『クリスマス会』を行いました。

 

当日のプログラムを迎えるにあたり、11月下旬から準備を始めていました。

折り紙の飾り作りや、ガーデニングプログラムでもリース作りをしています。

こちらが育てたサツマイモのツルで作ったリースです。

当日は、多くのメンバーさんが参加されました。

スタッフがサンタとトナカイになって司会進行。普段中々見られない光景です。

 

内容は、スタッフが主催するゲームやビンゴを行いました。

特にゲームはチーム対抗戦なので、メンバー同士で作戦を練ったりして、大変盛り上がりました!

 

当日のメンバーさんの感想をご紹介します。

  • 普段話せない方ともコミュニケーションを取れたのは良かったと思います。
  • チームで協力し合うことで、メンバーさんとの交流ができました。
  • 不安を感じる部分もなく楽しめた。
  • みんな色々な症状があって苦しんでいる中でも、こういう機会があるということは素晴らしいことだと思います。これからもぜひとも続けてください。皆の力になると思います。
  • 気晴らしになって良かった。

たくさんの感想をいただきました。

いつもと違った雰囲気で、ゲームなどを通し自然な会話をして皆で楽しめました。これからもこうした季節行事を大切にしていきたいと思います。

デイケアスタッフ(看護師・松代)

心理検査(WAIS)の結果から考えるADHD

カテゴリー: ADHD | 投稿日: 2017-12-16

 前回のブログでは、働く方のADHDへの当院の取り組みについてご説明しました。今回は、実際にADHDの診断が下りた患者様に当院がどのような治療を行っていくのかを具体例を挙げてご紹介していきます。

「仕事でのミスが多く、仕事が長続きしない」Aさんの場合
(よく見られる一例で特定の患者さんではありません)

Aさんは仕事が長続きしません。一生懸命取り組んでいるつもりですが、上司や同僚からミスを指摘されることが多く、自信をなくし、抑うつ症状から仕事を続けることが難しくなった結果、辞めてしまうということが続いていました。

医師との診察の中でADHDを思わせるエピソードがいくつか出てきたため、WAISを取ってみることになりました。WAISの結果、全体的な知能に遅れはありませんでしたが、著しく苦手な領域がいくつか見られました。

その領域はいわゆる忘れっぽさやケアレスミスに関連するものでしたので、仕事や日常生活で「言われたことを忘れてしまうことは多くないか。計算ミスや書類の記入ミスなどはしがちでないか」ということをお聞きすると、
「そうなんです。いつもそういったミスで怒られ続けてきました。自分では気を付けているつもりなのだけど、全然直らなくて…。元々こういうことが苦手だったのですね。」と非常に納得された様子でした。他の心理検査や心理士との面談も踏まえたうえで、AさんにはADHDの診断がなされました。

 

生活の工夫を身に付けよう!

WAISで明らかになった苦手なことの多くは、ちょっとした工夫でカバーできることが多いです。Aさんには、

といった特徴がありました。そこで、

といった工夫を提案させていただきました。

Aさんはその後、日常生活で常にメモを持ち歩くようにし、大事なことは毎回メモを取るよう習慣付けました。
また、玄関の壁には「財布、携帯、車のキー、いるもの袋」というチェックリストを貼り、外出時にチェックするようにしました。
「いるもの袋」とはAさんが考えたアイディアで、次の日持ち出すもの(書類など)は前日からその袋にまとめて入れておくことにしました。

このような工夫を身に付けたことで、Aさんは大事なことを忘れてしまったり、不注意によるミスをしてしまうことが減り、自分に自信が持てるようになりました。
また、これを機に、Aさん自身が自分の特徴を理解し、自分に合った工夫を考えられるようにもなっています。

*上記のように当院では治療の一貫して医師との相談の元にWAISを実施しております。そのため、WAISを受ける事のみを目的とした受診はお受けできませんのでご了承ください。

(心理士・円増、関口)

 

厚労省の認知行動療法研修会のご報告

カテゴリー: 研修・学会, 認知行動療法 | 投稿日: 2017-12-13

 

平成28年度 厚生労働省認知行動療法研修事業
うつ病の認知療法・認知行動療法ワークショップ

日程:2016年10月9日(日)13:00-17:30、10日(月・祝)10:00-17:00
講師:大野裕先生・岡崎純弥先生・藤澤大介先生(一般社団法人認知行動療法研修開発センター)

~主な内容~

  •  コミュニケーションスキル、ソクラテス式問答
  •  行動活性化(講義・演習)
  •  認知再構成法 3つのコラム
  •  問題解決技法
  •  症例の概念化

 

1.研修の目的

うつ病はこの10年間で急増し、治療対策が急務となっています。このため、うつ病の治療の質の向上を目的に、平成23年より、うつ病の治療に有効とされる認知行動療法について、厚生労働省の研修事業(うつ病の認知療法・認知行動療法研修事業)が始まりました。

本研修は、一定の臨床経験を有し、厚生労働省研修事業の規定の研修を受けた精神医療業務に従事する医師、看護師、保健師、精神保健福祉士、臨床心理技術者等に対して、個人スーパービジョン等を通して、うつ病の認知療法・認知行動療法の知識・技能の修得及び臨床実践の向上を目指すものです。

 

2.研修を受けてみての感想

認知行動療法は、マニュアルやたくさんあるワークシートに書き込むことばかりに注目されがちですが、研修の中で大野先生が、「マニュアルなどの型にとらわれず、患者さんの経験が大切です。患者さんに寄り添いながら、何に苦しんでいるかを理解し、十分に共感してから、スキルを伝えていきましょう。患者さんと一緒に現実をみて、一緒に考えていきましょう」と言われていたのが印象的でした。

認知行動療法で必要とされるのが、ソクラテス式質問法というコミュニケーションスキルですが、研修ではロールプレイの形で、治療者役と患者役になってスキルを学びました。この質問法は、誘導尋問ではなく、相手に気づきを促していく会話方法なのですが、言葉の使い方ひとつで、相手の受け止め方が大きく変わってしまうなど、実際にロールプレイで体験しながら確認できたことがたくさんありました。

他にも認知行動療法の代表的な技法について、講義だけでなく実際の治療場面のVTRを視聴した中で、患者さんの話をしっかり聞かずに認知行動療法の技法だけを伝えようとする悪い例の場面もあり、普段自分が行っている治療態度を振り返る機会にもなりました。

 

3.個人スーパービジョンを受けた感想

個人スーパービジョンでは、認知行動療法の専門家の先生から約4ヶ月間に渡り、面接過程を振り返りながら、面接の問題点、認知行動療法の知識、技法の修得、治療方針などについて丁寧な指導を頂きました。

この研修では、認知療法の研修における世界標準的な認知療法尺度として使用される評価指標(CTRS)により評価を受けます。これは、実際の治療の記録に基づき,セラピストの認知療法スキルを「アジェンダ」「対人能力」「協同作業」といった11項目から評価するものです(各項目最高1-6点で評価。初期認定基準が66点満点中30点以上,認定基準が66点満点中40点以上となっています)。

講師の先生からは、認知行動療法の技法についてだけでなく、基本的な精神療法を行う上での心構えや、患者さんの気持ちに寄り添うことの大切さについても教えて頂きました。また、認知行動療法のマニュアルに沿った進め方を軸にしつつも、現実場面で患者さんが何に困っているのかをしっかり受け止めて、患者さんの言葉を使いながら技法を伝えていくことが重要であることを強調されていたのが印象に残っています。

 

当院の加藤院長は、厚生労働省のスーパーバイザーを務めた経験があり、また当院所属の他の心理士にも、スーパービジョンを受けた者がおります。
認知行動療法は、常に発展している治療法なので今後も研鑽を積みながら、患者さんの困りごとに一緒に向き合って問題解決に取り組んでいきたいと考えております。

(心理士・片桐)

うつ病の研修会に参加してきました

カテゴリー: うつ病と躁うつ病, 研修・学会, 認知行動療法 | 投稿日: 2017-12-11

11月26日(土)に、東京で開催されたうつ病の研修会に参加してきました。

Session1 「外来診療における簡易型認知行動療法の実践」

座長:淺井 達藏先生(浅野神経内科クリニック 院長)
演者:大野 裕先生(一般社団法人認知行動療法研修開発センター)

Session1では、大野裕先生に認知行動療法の講義をしていただきました。大野裕先生の話はとても分かりやすく、毎回新しい気づきをいただくことができます。今回は、認知行動療法の誤解されやすい点についてのお話が大変勉強になりました。

認知行動療法は、考え方(認知)と実際の振る舞い(行動)の変化を通して、現実の問題を解決する力を高めていく精神療法で、うつ病を始めとする精神疾患に治療効果が認められている注目の治療法です。一方で、知名度が上がっていくことで、「認知や行動を変えることが目的」という誤解も生まれていきました。

認知行動療法の目的は、治療を受ける本人が現実の問題に立ち向かっていく力を高めることにあります。認知と行動の変化はそのための手段であって、決して目的になってはいけません。当院でも認知行動療法のプログラムを行っておりますが、この違いを意識し、患者様のお役に立てるように努力して参ります。

 

Session2 「うつ病患者の真の回復を考える」 

① 講演「うつ病の残遺症状の認識とその対応」

座長:平安 良雄先生(横浜市立大学大学院医学研究科 精神医学部門 主任教授)
演者:上島 国利先生(昭和大学 名誉教授)

② パネルディスカッション「実践!うつ病治療における残遺症状のマネジメント」

パネリスト:粥川 朋哉先生(大阪市立総合医療センター 精神神経科)
信田 広晶先生(医療法人社団 心癒会 しのだの森ホスピタル 院長)
本郷 誠司先生(医療法人社団 慈泉会 市ヶ谷ひもろぎクリニック  精神科 診療部長)

Session2では特にうつ病の残遺症状についてのお話をいただきました。うつ病は治療を通して徐々に症状は改善していきますが、いくつかの症状が残りやすいと言われております。各医療機関での取り組みや研究の紹介を通して、不安感や億劫感などの残りやすい残遺症状とその対応についてのお話をいただきました。

治療を通して改善していくことを患者様と一緒に喜びつつも、症状の細かい変化にも気を使い、丁寧な治療に取り組んでいけたらと思います。

(心理士・宮本)

働く人のADHDへの取り組み

カテゴリー: ADHD | 投稿日: 2017-12-02

■ ADHDとは?

ADHDとは、「注意欠如・多動症(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorders)」のことです。落ち着きがない、授業中に座っていられないなどのイメージがあるかもしれませんが、大人のADHDでは、仕事でのミスが多い、時間管理が苦手といった症状が目立つことが多いです。
過去の記事でも詳しくお話ししていますので、参考にしてみてください

当院は、児童の発達障害の専門ではありませんが、職場などで見られる困り事に対し、アプローチを行っていきます。

 

■ ADHDの可能性が考えられるときは

最近では、ADHDと診断された患者様には、早い段階でストラテラやコンサータ(どちらもADHDの症状を和らげる効果があるお薬です)を処方する傾向がありますが、当院では患者様にどんなサポートが必要かを幅広く考えていきます

○当院では、ストラテラやコンサータなどのお薬を処方する前に、しっかりとアセスメントを行なっていきます
 当院では医師の診察、臨床心理士による面接、ウェクスラー式成人知能検査(WAIS:ウェイスと読みます)、その他質問紙検査などを組み合わせて診断を行っていきます。

○それぞれの患者様に合った治療方針を立てます
 ADHDの治療は、すぐにコンサータやストラテラのようなお薬を使うことではありません。もちろんお薬で症状を和らげることも大切ですので、必要な患者様には治療初期からお薬を服用してもらうこともあります。
しかし、依存性などのことを考え、薬だけに頼らず、基本的にはまず患者様の特徴を知り、生活の工夫や環境の調整を行って困りごとに対処することを目標とします。

 

■ WAISとは

先ほど診断のお話のところでご紹介したWAISは、患者様の特徴を知るために必要不可欠な検査です。今回はそのWAISについて詳しくご紹介していきます。

WAISとはよく使われる心理検査のひとつで、その人の知能指数(IQ)を算出することができます。知能指数と聞くと「頭の良し悪しを見られるのかな?」と嫌な印象を抱かれる方もいるかもしれません。
しかし実際には、IQの算出はもちろん、その他にもっと細かく分類した能力の指数を測ることができます。たとえば、「状況を読み取る力はある反面、言葉で説明することが苦手」「知識はたくさんある一方、非常に忘れっぽい」など、その患者様の特徴を細かく、具体的に知るためにWAISを行うのです。

 

■ WAISを行うメリット

WAISを実施する一番のメリットは、患者様の得手・不得手が具体的に分かることです。日常生活や社会生活をおくる中で困難を感じているけども、なぜそうなっているのか分からず、解決法が見出せないまま苦しんでおられる方がたくさんおられます。
その中には能力的なアンバランスさが隠れている人も多いのが実際です。当院ではそのアンバランスさを分析し、患者様に合った援助法を考えます。患者様に自分の苦手なところを受け入れてもらい、得意なことを活かすための道具としてWAISは役立ちます。

 

■ WAISで分かること・分からないこと

WAISの結果からその人の様々な情報を得られることは事実ですが、全て分かるわけではありません。WAISで分かること、分からないことを簡単にまとめてみました。

分かること

  • どんなことが得意でどんなことが苦手か
  • ADHD傾向や他の障害の傾向が見られるかどうか
  • コミュニケーションの特徴や問題への対処の仕方

分からないこと

  • ADHDかどうか
    →WAISだけで確定はできません
  • なぜその領域が苦手なのか理由を断定すること
    →あることが苦手なのがADHDによるものなのか、違う原因によるものなのか、WAISだけでは分かりません

当院では、職場などで見られる困り事について、WAISの結果を含めたさまざまな情報を踏まえて判断し、その方にあったサポートができるようつとめています。
次の記事で、具体的な例を挙げてみたいと思いますので、関心のある方は、ぜひ読んでみてください。

(心理士・円増、関口)