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できるだけ薬に頼らない治療。あらたまこころのクリニックオフィシャルブログ

3月, 2016年

ACT japan 2015年度 年次ミーティング

カテゴリー: 研修・学会 | 投稿日: 2016-03-23

平成28年3月19日~20日に目白大学で行われたACT japan(アクト ジャパン) 2015年度 年次ミーティングに参加してきました。

目白大学は閑静な住宅街の中にあり、連休中ということもあって、静かな環境で研修を受けることができました。

ACTは、アクセプタンス・コミットメント・セラピーという心理療法のことで、近年注目されている、認知行動療法の第三世代とも言われる治療です。名前は少し難しいのですが、今、盛んに研究が進んでいる治療です。

ACTは、ネガティブな思考や感情をコントロールすることや、不快な体験を避けることに力を費やすのではなく、今、ここで体験していることに目を向け、本当に自分が大切にしたいことのために力を費やすことを目指します。

この治療の基本には、人の行動がどんな風に働いているかを分析し、その分析に基づいて行動やその機能を変えていくという考え方(「行動分析学」)があります。
うつや不安が続いているとき、ネガティブな思考や感情をコントロールしようとする“行動”や、不快な体験を避けようとする“行動”が、うまく働いていないことがあるので、こうした行動の働きを分析して治療につなげていくのです。

しかし、一見シンプルに見えるこの方法も、実際にはとても丁寧な分析が必要で、専門家にとってもなかなか難しいことです。今回の研修では、病院やクリニックなどでの実際の事例の発表も多くあり、どうやって分析し、役立てていくのかを見せていただくことができました。

2日間、「行動分析」について学んだり、事例発表を聞いたり、日常生活と治療の場面をつなげるための工夫について考えたりしました。日頃の治療を振り返り、新たに学ぶとてもよい機会となりました。

 

桜山地域精神医療連携講演会

カテゴリー: 研修・学会 | 投稿日: 2016-03-18

桜山地域精神医療連携講演会で院長が座長をつとめました。

平成28年3月12日(土)にメルパルクNAGOYAで行われた「桜山地域精神医療連携講演会」で院長が座長をつとめました。

「名古屋市立大学における認知行動療法の実践と展望」

演者:名古屋市立大学大学院医学研究科

精神・認知・行動医学分野 助教 小川成先生

座長:医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長 加藤正

小川先生のご講演は、名古屋市立大学で実践されている、不安症(パニック障害、社交不安障害)に対する認知行動療法をお話頂きました。

パニック障害の認知行動療法では、パニック発作への対処や、不安を和らげる方法、苦手な場所や症状を克服する方法を教えていただきました。

社交不安障害(あがり症)の認知行動療法では、対人不安を克服するためにできる、様々な工夫をお伺いすることができました。

また、症状の改善につながる治療は何か、という研究成果についてもお伺いすることができ、大変勉強になりました。当院における認知行動療法の実践においても、意識的に取り入れて行きたいと存じます。

この日は、札幌医科大学医学部主任教授 河西千秋先生の、専門領域の最新の知見についてのご講演もお伺いすることができました。今の日本が抱える課題についての大変貴重なお話で、参加者全員が自身の臨床を振り返る機会となりました。

 

否定的な評価が気になる社交不安障害(あがり症)

カテゴリー: 社交不安, 社会不安障害 | 投稿日: 2016-03-01

 社交不安障害(社会不安障害、あがり症)の症状については、以前もブログ(社交不安障害、症状はさまざま)でご紹介したように、人前で話したり何かしたりすること、雑談、電話、文字を書くこと、会食など、人によってさまざまです。しかし、これらさまざまな症状には、1つ、共通点があります。それは「他者から否定的な評価をされる(例:バカにされる、恥をかく、ダメなやつと思われる)んじゃないかと不安になること」です。

 

例をあげてみましょう。

①職場のミーティングで発言をするのが不安なAさんの場合

ときには周到な準備をして、なんとかその場を乗り切ってきました。しかし、就職してから、職場のミーティングで、急に意見を求められるようになり、何を話せばいいか分からなくなってしまい、頭が真っ白になり、意見が言えず、自信がなくなってしまいました。

 

 

②ママ友付き合いが苦手なBさんの場合

 Bさんは、1児の母。子どもの幼稚園の送り迎えやイベント事に参加する機会がありますが、他のお母さんとどう接したらいいのか分からず困ってしまいます。勇気を出して、話しかけますが、なんだかうまく話せている気がせず、帰ってきてからいつも、「なんであんな風に話したんだろう」と自分を責める気持ちが強くなります。これから子どもが大きくなって、授業参観やPTAの行事などに参加することを考えると、とても不安になります。

 

 

③人前で字を書くのが苦手なCさんの場合

 Cさんは、人前で話したりすることはそんなに苦手じゃないのですが、結婚式やお葬式の記帳やサイン、黒板に字を書く場面がとても苦手に感じています。こうした場面では、手が震えてしまうことが気になります。手が震えないように、もう片方の手で押さえたり、力をぐっと入れてみたりして、工夫をしますが、なかなか震えはおさまらず、時には文字が書けなくなってしまいます。「1人の時は大丈夫なのに、なんでだろう」と、だんだん落ち込む気持ちが強くなりました。

 

 

(上記の3例は、特定の個人の方ではなく社交不安障害でよく見られる症状の例です)

 3人の方の困りごとは、一見、全然違うようにも見えます。しかし、どの例でも、よくよく不安について聞いてみると、「ダメな人と思われるんじゃないか」「恥をかくんじゃないか」といったことが気になり、不安が強くなっていることが見えてきます。苦手な場面はさまざまですが、「他者からの否定的な評価」がふと頭の中に浮かんできて、そのような評価をされないようにと一生懸命なのが、社交不安障害なのです。

 

 もちろん、このようなことは考えたくて考えているわけはなく、勝手に頭の中に浮かんできて、社交不安障害の方を苦しませます。このように勝手に浮かんでくる考えにどのように対処していくかということは、社交不安障害の治療の1つのポイントになります。

 

もし、こういった「他者からの否定的な評価」が気になってしまうことでお困りでしたら、一度、ご相談ください。一緒に不安を乗り越えていきましょう。