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12月, 2015年

社交不安障害のグループ療法を行っています

カテゴリー: 社会不安障害 | 投稿日: 2015-12-07

当院では、平成18年4月より、社交不安障害のグループ療法を行っています。

この治療では、認知行動療法により、考え方の幅を広げたり、不安なことに向きがちな注意を他のところに向ける練習をしたり、「行動実験」を通して自分が不安に思っていることが現実にはどうなのかを確かめたりしながら、不安と付き合っていく方法を学びます。

グループは基礎編と実践編に分かれており、基礎編では、社交不安障害で見られる考え方や行動のパターンについて振り返り、「行動実験」の進め方を学びます。「行動実験」を続けることによって、これまで不安だった場面を客観的に観察できるようになり、効果が出てきます。

実践編では、この「行動実験」を続けていきます。
個別面接による治療も行っており、個別面接の良い点は、患者さんの困り事に合わせて治療を組み立てられることです。
また、グループの時間に参加することが難しい方でも調整がしやすくなります。

一方、グループ療法では、時間の都合を合わせていただくなど大変な点もありますが、他の人の意見を聞く機会が得られ、自分だけではないんだと感じられることが最大のメリットです。
また、回復していく方を見て、回復の道のりがイメージしやすい点も、グループ療法ならではだといえます。

平成27年には、基礎編だけでも33名の方がこのグループ療法に参加されました。グループ療法開始以来、150名以上の方が参加され、病気を克服されている方がたくさんいらっしゃいます。
~グループに参加された方の感想~

  • 自分の体験について意見をもらって、自分では気づかなかったことに気づくことができて良かった
  • 他の人の体験を聞いて自分ならどうかと考えることができ、グループで勉強できてよかった
  • 行動してみることの大事さを学んだ
  • 実際に、ここで学んだことを活かせる場面で、前の自分とは少し違った自分を作ることができ、嬉しかった
  • 今まで苦しんでいた“大きなかたまり”が細分化されて、小さな課題を見つけてはひとつひとつクリアしていくというやり方に変えて行けた
  • 今までの私は性格じゃなくて病気だったんだと知ることができた点や、私だけではなく同じようにつらい思いをされている方がたくさんいるんだと知ることができたことがありがたかった
  • 自分の思考と現実にはギャップがあるということを体験できたことはすごく大きかった
  • 最初は泣いてしまったりしたが、毎回出席することができて良かった
  • 全12回は長いと思っていたけど、意外に短く感じた
  • これからが大事だと思うので、教えてもらったこと、しっかりやっていけるようにしたいと思う

社交不安障害は、うつ病などと併存することも多く、見落とされがちな病気です。しっかり治療をすることが大切ですので、気になる方は、是非ご相談ください。

心を元気にする”会話のコツ”

カテゴリー: 研修・学会 | 投稿日: 2015-12-04

先日の11月28日に、愛知学院大学 日進キャンパスにて開催された、堀越勝先生の公開シンポジウムに参加してきました。

講師の堀越勝先生は、認知行動療法の第一人者であり、日本での認知行動療法の普及や研修活動をされています。

今回のテーマは、心を元気にする“会話のコツ”ということで、いくつかの具体的な対話方法について学んできましたので、その中の1つをご紹介させていただきます。

・効力のある言葉はいきなり渡さない。
家族など周りに落ち込んでいる人がいると、つい励ましの言葉を伝えたくなりますが、いきなり「頑張りましょう!」と言ってしまうと、相手にとっては傷つく言葉になってしまいます。

励ましの言葉のような効力のある言葉を伝える時には、順番を考える必要があります。

まずは相手の気持ちに寄り添い、十分な共感を示し、相手の心が開いたところで具体的な提案をします。
その上で、「それでは一緒に頑張っていきましょう!」という効力のある言葉を伝えることが大切ということでした。

堀越先生のお話は大変分かりやすく、日常生活に活かせるものばかりでした。具体的で、すぐにでも実行できるコツなので、ぜひ皆様にもご活用いただきお役に立てることを願っております。

行動活性化療法の講演を聞いてきました

カテゴリー: 研修・学会 | 投稿日: 2015-12-02

平成27年11月28日(土) 東海地区Depressionフォーラム
(ウェスティンナゴヤキャッスルにて)
「価値の明確化を取り入れた行動活性化療法」
名古屋市立大学大学院 医学研究科 精神・認知・行動医学分野 助教 小川成 先生

うつ病に対し、効果が確立されている治療法の1つに行動活性化療法があります。今回の講演では、この行動活性化療法に、「価値」の観点が導入されており、研究が進んでいるというお話でした。

この「価値」とは、人がそれぞれ重要と考える人生の領域のことで、価値の目指す方向に沿った行動をとることで気分が良くなったり、元気が出て、うつ病の改善につながると考えられます。

しかし、私たちは普段、なかなか自分の価値について考える機会は多くないものです。価値について考えたり言葉にしてみることで、“やってみよう”と思えるということもあります。
この「価値」という概念は、どんな治療でも非常に大切な概念ですが、最近では、アクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACT)の中で非常に重要視され、注目されています。

このアクセプタンス・コミットメント・セラピーは、行動分析学に基づく治療方で、新世代の認知行動療法の1つともいわれています。
「アクセプタンス」とは、思考、身体感覚、感情など、「今、ここ」で体験しているものを、良い悪いなどの判断を介さず受け入れることをいいます。また、「コミットメント」とは、自分の「価値」に沿った行動をすることをいいます。

うつ病や不安障害が続くと、いろんな症状に悩まされます。いろんな思考が頭に浮かび、時には過去のことをぐるぐる考えたり、将来について悲観的になり、考え込んでしまうこともあります。また、不快な身体感覚や感情が続き、つらくなってしまうこともあります。
こうした症状により、本来やりたいこと、やるべきことに手がつかず、余計に自分に自信がなくなってしまう(自己肯定感が持てない)という悪循環に陥ってしまうことが、うつ病や不安障害の維持につながってしまうことがあるのです。

アクセプタンス・コミットメント・セラピーでは、こうした苦痛と戦うことを一旦手放し、良い悪いの判断をせずに、「今、ここ」で自分が体験していることを感じ、受け止め、そして自分自身の「価値」に沿った行動を増やしていくことを目指します。

この「価値」を明確化することは、アクセプタンス・コミットメント・セラピーで大切なことなのです。

講演では、社交不安障害の方の症例もご紹介いただき、「価値」を取り入れた治療について学ぶ非常に貴重な機会となりました。