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12月, 2013年

日本心療内科学会に参加してきました

カテゴリー: ご挨拶 | 投稿日: 2013-12-12

12月7日・8日にウインク愛知で開催された、第18回日本心療内科学会学術大会に参加してきました。
なお、当院院長の加藤は本学会のプログラム委員を務めており、本学会でもシンポジストを務めさせていただく予定でしたが、外来診察の都合がどうしてもつかず、不義理を致した次第です。

当院からは3人のスタッフが参加し、たくさんの参加者が集まるなか、2日間にわたって様々なシンポジウムやセミナーが行なわれましたが、中でも私たちの印象に残ったセミナーをご紹介します。

「うつ病の認知行動療法の実際と今後の展望」
座長:日本大学医学部附属板橋病院 心療内科部長 村上正人先生
演者:国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター所長 大野裕先生

大野先生は日本の認知行動療法家の第一人者であり、各地で講演やワークショップを行ない、認知行動療法の啓蒙に努められています。著作も多数あり、目にされた方も多いのではないでしょうか。

認知行動療法では、効果的な技法が多く提唱されており、技法が熱心に取り上げられる傾向にあります。今回の講演の中でも、基本から、様々な技法のコツや、活用法について説明していただきました。

しかし、患者様との信頼関係を築く力、患者様のお話を細かいニュアンスまで理解する力など、まずは相談に来ていただいた方に「寄り添う」ことが出来ることが、認知行動療法をする上で大前提になるというお話もありました。

ただ知識を学んで技法を身につければ良いのではなく、患者様と接していく上で、基本的な態度を身につけることがとても大切なんだな、と気付くことが出来ました。

「『新型うつ』今、職場で生じている混乱とその対応の方向性」
座長:医療法人板倉医院院長 板倉義之先生
演者:医療法人渡辺クリニック院長 渡辺洋一郎先生

自己中心的で、他罰的、気分の変動などの生活行動傾向を持つ人がうつ状態になる、いわゆる「新型うつ」の方が休職するケースは産業現場において増加しています。

渡辺先生は、ここまで「新型うつ」が急速に広まったのは、それだけの背景が存在し、「社会現象」「社会の病」として社会全体を見直す視点が必要だと話されていました。

 「新型うつ」の方への職場での対応のポイントとして、

・医療を必要としている人を見落とさない
・精神科を受診している方については、主治医との連携や情報交換が必要である
・本人の特性の評価と理解が必要である
・「本人の抱える弱さの是正」だけでなく、「本人の特性を活かす」という意識改革
・上司の考え方を、「俺についてこい」から「ついていこうという気になる俺になる」に変えていく
・「新型うつ」の方に対しても、他の勤務している方に対しても、公平で誠実な就業規則の作成
・企業のメンタルヘルス管理体制の確立

の7点を挙げられていました。

最後に、「労働者がより少ない負荷で、最大限のパフォーマンスを発揮できることが、労働者の健康と同時に、企業にとっての業績にもつながる」と話されていたのが印象的でした。

「女性とうつ」
座長:弘前大学大学院医学研究科 准教授 齋藤紀先先生
演者:東邦大学医学部 准教授 端詰勝敬先生

「なぜ女性はうつになりやすいのか?」をテーマに、様々な観点からのお話がありました。女性のライフイベント、ライフイベントを通してのうつ病のリスクについての説明の中では、

・月経周期や妊娠期、産後期といった生物学的な違いだけでなく、男性と比較して給与が頭打ちになりやすい傾向がある
・職業人だけでなく、「良き妻」、「良き母」であろうとするが、自己統制を取るのが非常に難しい
・安定した対人関係を求めることに主眼を置き、拒絶されることを何より恐れる傾向が強いこと

など、社会的、心理的差異もうつ病の危険因子として考慮していかなければならないとのことでした。

普段現場にいると、産業医の先生方や、他のクリニックの先生方のお話に触れる機会はなかなか無いので、貴重な経験を積むことが出来ました。