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12月, 2012年

第3回 東海メンタルヘルス研究会

カテゴリー: 研修・学会 | 投稿日: 2012-12-17

12月8日(土)
ANAクラウンプラザ ホテルグランコート名古屋 ローズルームにて行われた、「第3回東海メンタルヘルス研究会」に参加してきました。

【概要】
一般演題座長:林内科クリニック 院長 林吉夫先生
演題1:「心療内科における頻回休職者の検討 -1回休職者と比較して-」
演者:労働者健康福祉機構 中部労災病院心療内科
勤労者メンタルヘルスセンター 阿部桂大先生
演題2:「職場復帰困難事例への対応 ~事例を通して~」
演者:三菱重工業(株)大江西健康管理科 産業医 石川浩二先生

特別講演座長:労働者健康福祉機構 中部労災病院心療内科
勤労者メンタルヘルスセンター長 芦原 睦先生
演題:「メンタルヘルスオムニバス -うつ病に焦点をあてて-」
演者:日本私立学校振興・共済事業団 東京臨海病院
メンタルクリニック部長 荒井稔先生

阿部先生の発表では、現代型と表現されるうつ病の特徴として、

・依存心が強く、未熟なパーソナリティ
・他者配慮に乏しく、他責的傾向が強い
・几帳面、律義ではなく、趣味を淡々と続ける傾向

などが挙げられていました。また、頻回休職者の傾向として、

・受診前からコミュニケーションスキルの乏しさを自覚している
・若年で未婚、正規雇用されている
・身体症状の自覚が乏しく、抑うつ、不安レベルが高くない

などが挙げられていました。

石川先生の発表では、復職にあたっては、元の職場に戻るのが原則であること、本人に死にたい気持ちが強いが職場には黙っておいて欲しいというケースでは、まずは死んでしまいたいという気持ちをじっくり聞くこと、黙っておいて欲しいという気持ちを尊重しつつも他者の支援の必要性や専門医への受診を説得すること、そして、「絶対自殺しない約束をする」など、ご自身の経験された事例を通して、話していただきました。

特別講演の荒井先生の発表では、現代では様々な観点から企業でのメンタルヘルス対策が必須となっていること、以前は会社に終生の絆を求め、会社自体が便利なよりどころであったが、今では会社に対して抱くイメージが変わってきていることなどを、ご自身の経験と豊富な知識からお話しされていました。

また、石川先生の発表の中で、紹介できる専門医とのネットワークづくりが課題と話されていたので、当院としても、産業医とのスムーズな連携が今後の課題であると感じました。

第12回認知療法学会に参加してきました

カテゴリー: 認知行動療法, 研修・学会 | 投稿日: 2012-12-03

11月23、24日の2日間、東京ビッグサイトで行われた第12回認知療法学会に参加してきました。

~主なプログラム~

【大会長講演】

「ソクラテスの耳」多職種による協働を目指して
堀越勝 (国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター 研修指導部長)

【基調講演】

不安障害治療のための現代の認知行動的方略“Modern Cognitive Behavioral Strategies for Treating Anxiety Disorders.”
Stefan G. Hofmann, Ph.D. (米国行動認知療法学会 会長、国際認知療法学会 会長、ボストン大学 不安関連障害センター・社交不安障害プログラムディレクター)

【特別講演】

  • CBTを超えて:身体疾患に対する連携治療に用いられる統合的行動医学
    “Beyond CBT: Integrative Behavioral Medicine in the Collaborative Treatment of Medical Conditions”
    Katharine Larsson Ph.D. R.N., C.S. (ボストン行動医学センターディレクター 専門看護師)
  • From this patient to that trial, to those trials, and back ~精神療法の実践にエビデンスを活かす~
    古川壽亮 MD, Ph.D. (京都大学大学院医学研究科健康増進・行動学分野 教授)

【シンポジウム】

  • 再考セルフモニタリング!事例を通してその重要性と効果について改めて考える
    企画・司会:伊藤絵美 (洗足ストレスコーピング・サポートオフィス/千葉大学)
    話題提供:吉村由未、津高京子、初野直子 (洗足ストレスコーピング・サポートオフィス)
    指定討論:神村栄一 (新潟大学)
  • 日本における境界性パーソナリティ障害などの感情調節困難のための治療実践の試み
    企画:遊佐安一郎 (長谷川メンタルヘルス研究所)、松野航大 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    司会:松野航大(早稲田大学大学院人間科学研究科)
    話題提供:井合真海子 (早稲田大学人間科学学術院)、須川聡子 (東京大学大学院教育学研究科)、森美加 (東京慈恵会医科大学精神医学講座)、遊佐安一郎 (長谷川メンタルヘルス研究所)
    指定討論:東斉彰 (広島国際大学大学院)
  • 認知・行動療法におけるスーパービジョン(2)スーパーバイザーの機能分析
    企画・司会:田中恒彦 (滋賀医科大学地域精神医療学講座)
    話題提供 : 伊藤絵美 (洗足ストレスコーピング・サポートオフィス/千葉大学大学院医学研究院)、原井宏明 (和楽会なごやメンタルクリニック)
    指定討論:藤澤大介 (国立がん研究センター東病院)

この他にも、さまざまなプログラムがあり、大変充実した2日間でした。

また、今学会では、当院での認知行動療法への取り組みについて、ポスター発表と口演による発表もしてきました。

発表①「患者に合った技法をどのように選択していくか~モジュール形式のCBTマニュアルを用いて面接を行った症例を通して~」
内容:モジュール形式のCBTマニュアルを使用し、ケースフォーミュレーションを行って患者とともに技法を選択した症例の報告をしました。モジュールを用い、患者さんにどのような選択肢があるかを提示することによって、患者自身が納得して治療を進めることができ、動機付けも高まると考えられます。

発表②「スーパービジョンを受けながらCBTを行うことで学んだこと」
内容:グループスーパービジョンを受けながらうつ病の患者さんにCBTを行なった症例を通して、学んだことについて報告しました。
スーパービジョンで治療者のクセやセッションの進め方について話し合っていくことは、「行動してみる」、「気持ちを伝える」、「解決できる問題を解決する」、そして「考え方の幅を広げる」プロセスとなりました。治療者がSVを通じてCBTを学習する過程は、CBTを通じて患者が新しい認知と行動のパターンを学習する過程に相似であるといえます。

精神科医療にはさまざまな治療法がありますが、当院では、より患者様に役立つような治療を積極的に取り入れたいと思い、認知行動療法の勉強を続けていますが、まだまだこれから勉強に励んでいきたいと思います。