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公開日: |更新日: うつ病

職場の環境がうつの原因に…

職場結合型うつ

仕事で、ストレスの多い役割を担い、忙しく、長時間労働を強いられる、そのため、心身が疲弊し、うつ病を発症する。そういったうつ病を、職場の仕事に結合したうつ病という意味で、「職場結合性うつ病」と名付けられました。
仕事をバリバリとこなし、仕事中毒といわれる…… その背景には、「1回負けたら終わりの滑り台社会があり、イヤでも今の仕事に結合しなければいけない、という事情がある」という専門家もいます。
リーマンショック以降、「うつ病」は、大きな問題に…

昔は、企業は終身雇用制・年功序列の賃金体系をとっており、ほとんどが正社員で構成され、企業全体が一体感を持っていました。しかし現在は業績主義で、失敗をすれば、給料が下がったり、リストラされるという不安につねに怯えなければいけません。そういった精神的肉体的ストレスの中で働き続けるという環境が、うつ病患者を増やす一因となっているというのです。
誰でもなる可能性がある

従来のうつ病は、秩序、几帳面、律儀、生真面目、融通が利かないなどの特徴を持つ「メランコリー親和型」という性格の人がなりやすいといわれていました。しかし、この最近増えてきた職場結合型うつ病では、職場自体が徹底的な能率主義をとっているため、個人の性格に関わらずうつ病が発症する結果となっています。つまり、どんな人も、疲れ果てるまで働かざるを得ない環境こそが、この現代における大きな問題なのでしょう。
「職場結合性うつ病」は誰でもかかる可能性があります。気分が落ち込むことが多かったり、食欲がなくなったり、また、体の痛みなどの症状など、少しでも気になることがあれば、ご相談ください

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監修

加藤 正
加藤 正医療法人和心会 あらたまこころのクリニック 院長
【出身校】名古屋市立大学医学部卒業
【保有資格】精神保健指定医/日本精神神経学会 専門医/日本精神神経学会 指導医/認知症サポート医
【所属】日本精神神経学会/日本うつ病学会/日本嗜癖行動学会理事/瑞穂区東部・西部いきいきセンター
【経歴】厚生労働省認知行動療法研修事業スーパーバイザー(指導者)の経験あり。2015年より瑞穂区東部・西部いきいきセンターに参加し、認知症初期支援集中チームで老人、高齢者のメンタル問題に対し活動を行っている。日本うつ病学会より「うつ病の薬の適正使用」のテーマで2019年度下田光造賞を受賞。
【当院について】名古屋市からアルコール依存症専門医療機関、日本精神神経学会から専門医のための研修施設などに指定されている。