4月, 2012年
院内研修会を行いました パート2
前回に続き、当院では今週も院内研修会を行いました。
今回は、コミュニケーションの基礎である、関係作りと聞くことについて、それからソクラテス式問答について、ロールプレイやワークを通して実践的に学びました。聞き方、返し方、質問の仕方によって、相手の反応が大きく変わるものなのだと改めて実感しました。
後半は、認知行動療法家の大野先生のセッションDVDを皆で視聴しました。共感の仕方、介入の仕方、面接の進め方など勉強になることばかりで、思わず見入ってしまいました。こんな面接が出来るようになりたいなと心から思わされました。 今回の研修会で学んだことを、是非自分の面接の場面で生かしていきたいと思います。
院内研修会を行いました
新しいスタッフを迎え、先日、当院では院内研修会を行いました。
まずは、院長より「プロクルステスの寝台」というギリシア神話から、興味深いお話がありました。
ギリシア神話に出てくる強盗、プロクルステス。 彼の家には鉄の寝台があり、通りがかった人々に「休ませてやろう」と声をかけ、隠れ家に連れて行きます。そして、旅人を寝台に寝かせると、大きい人ははみ出た分を切断し、小さい人はサイズが合うまで体を引き伸ばす拷問にかけたのです。結局、寝台にぴったりのサイズの人間はいませんでした。プロクルステスが、相手の背丈を目測して、寝台を伸ばしたり縮めたりしていたからです。
治療者も気をつけないと、プロクルステスと同じ事をしてしまう危険性があります。治療者が、患者の声を十分に聞かず、一方的に自分の治療の型を患者に押しつけてしまったらどうなるのでしょうか?患者は、回復どころか、逆に傷ついたり、かえって状態が悪くなってしまいます。
院長は、治療者がプロクルステスにならにように、「治療と患者の治りたい方向を突き合わせながら、患者と協働作業で目標を共有することが大切である」とお話されました。
研修では、治療者がプロクルステスにならないように気をつけることとして、まず、支持的精神療法について学びました。患者との関わり方、基本的傾聴など初心に戻り、改めて学び直すと、意外に出来ていなかったなーと反省することも多かったです。また、感情について学び、小グループやペアで感情を追う練習をしたり、ロールプレイを行ったり、盛りだくさんの充実した時間を持つことができました。研修で学んだことを、治療の場で生かしていきたいと思います。
大野裕先生の講演会に参加しました。
名古屋精神科学術講演会の特別講演に行ってきました。
演者は、大野裕先生。大野先生は、近年、精神医療の現場で注目されている認知療法の日本における第一人者で、講演会場は満席状態。クリニックからも多くのスタッフが参加しました。
講演では、うつ病の認知療法の実践的な話を聞くことができました。
認知療法というと、「技法的」、「堅苦しい」、「難しい」というイメージを持たれがちで すが、大野先生の話を聞く中で、認知療法は意外に日常の会話の中で私たちが自然に使っているものなのだ、ということに改めて気づかされました。
また、治療 者は患者さんの問題点についつい目を向けがちですが、患者さんの持っておられる強みに目を向けることの大切さを改めて学びました。
ちなみに、大野先生はNHKの心の時代という番組に出演されました。大野先生の人生の体験談、お仕事の話、東北の被災地での活動の話など興味深い内容でした。